排卵障害 |
○排卵障害とは
排卵障害による不妊症は、間脳-下垂体-卵巣(精巣)系の機能不全による性腺刺激ホルモンなどの内分泌異常によるところがしばしばみられます。このことは男性においても精子形成系が阻害されて乏精子症などの原因を引き起こします。
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○排卵障害の程度
基礎体温上、無排卵または黄体機能不全などの排卵障害が疑われる場合には、内分泌の検査を行います。排卵障害は黄体機能不全のような軽度のものから無月経と高度な障害とに分けられます。 |
○黄体機能不全
黄体機能不全は、排卵はするものの黄体の機能が不十分で子宮内膜が着床できにくい環境になっているため妊娠しにくくなってしまうのです。たとえ着床しても初期流産が起きやすいともいえます。 |
○無排卵周期症
無排卵周期症は、基礎体温上高温相のない1相性パターンで、出血のみられるものをさします。卵巣の卵胞の発育はある程度みられるもののLHサージが起きず排卵できなく、しばらくして増殖した内膜が流れ落ちるものです。 |
○原発・続発性無月経
無月経は、18歳以上になって一度も月経の発来をみないものを原発性無月経といい、月経は過去にあったものの、その後に月経がみられなくなった続発性無月経とに分けられます。 |
○第一度無月経
これに黄体ホルモン剤を投与して、服用後の消退出血の有無を診ます。子宮からの出血がみられるのを第一度無月経と呼び、子宮内膜はある程度増殖しており、黄体ホルモンの作用により分泌期変化をして出血が起きるので、比較的軽度の無月経といえます。
出血がおきない場合には、卵胞・黄体ホルモン剤(ピルと同じようなホルモン配合剤)を投与して、服用後の消退出血の有無をみます。出血がみられない場合、ホルモン剤に子宮内膜が反応しないため子宮性無月経と診断されます。出血がおきる場合は、子宮はホルモンに反応しているので、第二度無月経と呼びます。 |
○第二度無月経
第二度無月経に対して、FSHなどの卵巣を刺激するホルモン剤(排卵誘発剤)を投与し出血の有無をみます。出血が無ければ卵巣が反応しないということで卵巣性無月経とし、出血があれば視床下部−下垂体性無月経と診断します。 |
○高プロラクチン血症性排卵障害
プロラクチンは、催乳ホルモンといわれるもので、お産後の授乳時に分泌されるホルモンです。このプロラクチンが分泌されている間は、エストロゲンなどの周期的な分泌が消失し、排卵が起こりません。授乳期間中に無月経となっているのはこのホルモンのためです。
授乳期以外に下垂体腫瘍などなんらかの原因でプロラクチン値が高くなっている人がいます。乳房などを抑えると乳汁の分泌がみられます。この場合は、授乳中と同じく排卵障害がみられ、プロラクチン値の分泌量などにより、その障害の程度が左右されるといわれています。
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